「鎌倉で出会うこころの癒し」
第5回目は「浄妙寺(じょうみょうじ)」です。
6月の鎌倉は紫陽花フィーバー。
至る所で見事な紫陽花が咲き、
この時期にしか見られない景色を見せてくれます。
フィーバーだけに曜日と場所によっては紫陽花を見るのに何時間も待たされる…
という所もありますが、
それでも見に行きたくなるから不思議ですね。
鎌倉の紫陽花スポットはいろいろありますが、中でも私のオススメは浄妙寺です。
浄妙寺の裏山にある紫陽花は長谷寺や明月院のような華やかな感じはなく、
素朴な山紫陽花。
でも可憐で優しい感じのする紫陽花です。
自然と調和してひっそりと、
でも力強く咲く花々を見ていると元気が出てきます。
また浄妙寺には「喜泉庵」というお抹茶とお菓子をいただける場所があり、
枯山水のお庭を見ながら静かな時間を過ごすことが出来ます。
浄妙寺の中を通って先に進むと
「石釜ガーデンテラス」という一軒家のカフェレストランもあって、
ここはガラッと雰囲気が変わりイギリス風庭園を見ながらお食事ができるという…
ここも癒し空間となっています。
見所満載のお寺ですね。
先日テレビで紫陽花についての解説を聞いたのですが、
なんと紫陽花の花の色は元々はっきりとは決まっていないそうです。
どこで育つか、その土によって色が変わるそうです。
酸性が強めの土だと青色、アルカリ性が強めだと赤色…など、
育つ土の性質の違い、
また土に含まれるアルミニウムの量などによって
微妙な色の違いが生まれるそうです。
あの花びらの素敵なグラデーションはそんな風に作られるのですね。
精神医学や心理学で人を理解する時に「生物−心理−社会モデル」という考え方があります。
これは1970年代にジョージ・エンゲルが提唱した考え方で、
人間を生物学的(医学的)側面だけでなく、
その人の心理的側面や育った環境などの社会的側面を全て含めて個人を理解する…というものです。
この考え方は、
医療や心理・福祉のみならず様々な観点から人を理解する上でとても重要になります。
私達はそれぞれ「世界に一つだけの花」であり、
大切な個性を持って生まれた者であるのですが、
紫陽花のように育つ土壌や出会う人、
社会の影響などによりいろんな色に染まります。
その中でも、人と人との繋がりや温かさ…
「愛」に触れれば触れるほど、
人はそれぞれの「個性」という花びらの上に鮮やかな色を乗せていくような気がします。
それはとっても素晴らしいバランスで際立ち、
個性という土台をもっともっと輝かせてくれるのだと思うのです。
家族、友人、先生、上司、部下、隣人…などなど、
人はこの世界に生まれ生きていく中で様々な出会いをしますよね。
しかし人間関係は良いことばかりではありません。
この人間関係で悩まされてしまうことは多々あります。
そんな時、自分の花は萎れてしまいますよね。
それでも人と愛情あふれる関わりをするからこそ、
その萎れた花は復活していくのだと思います。
様々な人との出会いの中で、
それぞれの花びらにお互い美しい色を乗せられるよう、
出会う人に出来るだけ温かい気持ちで接していきたいなぁ…
と思う今日この頃です。
やっぱり咲き乱れる紫陽花が素敵だなぁと思うように、
美しく咲く人が増える方が素敵な世の中になりそうですよね。
私に出来ることはとっても小さいことですが、
それでも出会う人の花が美しく染まるように関わっていけたらと思っています。
周りの方々にいつも美しい色を頂いていることに日々感謝しつつ…。
photo by toshibonne
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