夏のアイテムにふさわしい麻・リネン素材。洋服の素材としておなじみですが、実は素材の特徴をあまり詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、麻・リネン素材それぞれの特徴とメリットデメリットについて紹介します。取り扱い時の注意点や、どんな製品に使用されているかもチェックしてください。
麻やリネンとはどんな素材か？
「麻」とは広い意味ではアサ科アサ属の植物、または植物の表皮の内側にある柔らかい繊維を指しますが、狭い意味での麻は「リネン」「ヘンプ」「ジュート」など数十種類以上存在する大麻草を指します。
現在、日本では「麻」と表記できる繊維は「リネン」と「ラミー」の2種類だけと決められており、リネンはフランス語で「リンネル」、日本語では「亜麻」として知られ、ラミーには「苧麻（ちょま）」という名称がつけられています。
リネンや麻の繊維には特有の張りがあり、肌にもよくなじむため古代から衣服や日用品に用いられてきました。
麻リネンの生地のメリットデメリット
麻・リネンの生地にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ確認していきましょう。
麻リネンのメリット
麻・リネン素材は耐久性が高く、洋服の素材やファブリック製品の生地に適しています。
繊維の中が空洞になっており水を溜めにくく、吸湿性と速乾性も高いため、汗をかいても生地の外に水分を放出し快適な着心地が実現。
水分を含んでもすぐに乾くため、長時間の脱水も不要。中性洗剤と水で手洗いするだけでOKという手入れの手軽さが魅力的です。
また、麻リネンにはペクチンと呼ばれる成分が含まれ、汚れが付着しにくくなっています。雑菌の繁殖の元になる汚れと水分が溜まりにくいため、衛生的な観点からも重宝されています。
麻リネンのデメリット
麻・リネン素材のデメリットとして、植物由来の成分のためシワになりやすい性質があります。折れやヨレがシワとして残ってしまうので、洗濯後はすぐにシワを伸ばして干さなければなりません。
汚れがつきにくいペクチンが含まれているため、色が染まりにくく落ちやすいのもデメリットといえるでしょう。
素材の密度にもよりますが、5%から10%程度縮むことも覚えておきたい特徴のひとつ。30℃以上のお湯で洗うと縮みやすくなります。
麻リネンを取り扱う際の注意点
麻リネンを取り扱う際（洗濯や保管など）の注意点を詳しくみていきましょう。
色落ちしないための洗濯方法
リネン素材は摩擦が加わることで、繊維に染まりきらなかった色素が抜けてしまう「色落ち」を起こしやすくなります。
さらに、摩擦によって「フィブリル化」と呼ばれる現象も発生しやすくなります。フィブリル化とか摩擦で生地が毛羽立ち、色染めが十分でない部分が表に出てきて色がまばらに見える現象です。
洗浄力の強いアルカリ性の洗剤ほど色落ちがしやすくなるため、中性洗剤（オシャレ着洗い用洗剤）を使い、リネン生地のアイテムは必ず単品で洗濯を行ってください。
生地を傷ませないように洗う
リネンに限らず、強い摩擦はすべての生地にとってデメリットとなります。
特に麻リネンの場合洗濯機での洗浄・脱水が生地を傷める原因になるため、中性洗剤で短時間だけ洗って（または手洗い）10秒程度脱水にかけましょう。
素材そのものが水を発散しやすいので、何度も繰り返し脱水をする必要はありません。10秒程度の脱水のあとは生地を裏返して陰干しにしてください。
麻リネン生地はどんなものに使われる？
麻リネン生地は、スカートやトップス、ワンピースといった衣類の他にもさまざまなアイテムに使われています。
・ ショール・スカーフ
・ 手袋・アームウォーマー
・ マスク
・ キッチンクロス・テーブルマット
・ インテリアファブリック
・ タオル類・バスマット
・ エプロン
・ 枕カバーやシーツなどの寝具
・ バッグ・ポーチ類
・ ネクタイ・ポケットチーフ
・ メンズ用ワイシャツ
いずれも涼しげな印象を与えることから、春～夏の終わりにかけてのアイテムに適しています。派手すぎずナチュラルな雰囲気が出るので、インテリアアイテムとしても人気があります。
麻リネン生地を使ったおすすめ鎌倉ファッションアイテム
鎌倉生まれのブランド「KEYMEMORY」では、季節にふさわしいさまざまなファッションアイテムを取り扱い中。麻・リネンを使ったアイテムの特徴やおすすめポイントを解説します。
Cotton linen coat
KEYMEMORYのCotton linen coatは、夏でも涼しく羽織れるリネンワンピースカーディガンです。
V字のすっきりとした襟元と、Aラインのシルエットで適度な落ち感を備えています。
ロング丈のコートなのでワンピースとしても、コートの代わりに羽織ものとしても着用可能。
スカートやワイドパンツなど、ボトムスを選ばないデザインで着回し力抜群のアイテムです。
リボンのついたバックボタンデザインも可愛いです。
着丈は105c、身幅70cmのゆったりフリーサイズ。コットンと麻の混紡素材は耐久性にもすぐれています。
夏を涼しく過ごせる素材
麻リネンは耐久性と吸湿性の高い素材として、汗をかく時期を中心に一年中着用できる素材です。
女性用の衣類だけではなく男性用のネクタイやポケットチーフにも使われており、ビジネスカジュアルにもリネン素材を取り入れることができます。
清涼感やナチュラルな雰囲気が楽しめる素材を、ぜひ暑い季節の1枚に取り入れてみてはいかがでしょうか。
店舗情報
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